2017年1月2日月曜日

俺の超最高な4年半



俺、オタク失敗したのかな。負けたのかな。

これってバッドエンド?ゲームオーバー?

去年10月10日、みずほが泣きながら卒業を発表したときに頭に浮かんだこと。

みずほは「大きなステージに立ちたい」って、「もっと人気者になりたい」って言ってたのに今ここで辞めるってどういうことなのか。俺はファンとして、好きな人の夢を叶えてやることができなかったのか。実際、卒業発表後のインタビュー等でもみずほは「今もっと売れてれば辞めなかった」と話していて読むたびに胸が痛くなった。

みずほは圧倒的な天才だった。最初に会った時は独特の雰囲気がある子だな〜くらいにしか思っていなかったのだけど、徐々にその才能を開花させていって、いつの間にか他に類を見ない唯一無二の存在感を放つアイドルとなっていた。みずほが在籍するベルハーというグループ自体もクオリティの高い楽曲とオリジナリティをもつ至高のユニットで、ベルハーのみずほは完全無敵だった。

ベルハーにしてもみずほにしても、「わかりやすさ」に欠ける部分はあって、そこがサブカルウケする一方、即座には売れにくいような面があったけど、うまく火がつけば大ブレイクする可能性や潜在能力は大いにあったと思う。それなのに。

「後悔しないように会えるときに会いに行こう」なんてみんなよく言うけど、どれだけたくさん会いに行っていたとしても、別れはいつも突然やってきて、そのときなんかしら後悔するのは避けられないと思う。

俺はみずほに出会ってからライブにはほとんど全部行っていたけど、ただそれだけだった。もし俺がちゃんと周囲に広める努力をしたら、もっとファンを増やすことができたかもしれない。もっと物販でお金を使えば、運営を波に乗せる手助けができたかもしれない。そんなこと考えるし、そもそも俺はみずほの前でちゃんと笑ってることすらできず、みずほをよく不安にさせた。

アイドルを辞めることを決めた理由として、みずほは楽しかったライブに辛さを感じるようになったことを挙げていた。昔からみずほは「色々辛くてもライブだけは楽しい」と言っていたから俺は安心しきっていて、自分が楽しむ以外に何も考えていなかったけど、みずほがもっとライブを楽しめるように努力すべきだったんじゃないか。

ほんとに後悔ばかり出てきてしまう。

でも、冷静に考えれば、俺ごときが何をしようがたいして変わらなかったんだろう。1人のオタクでしかない自分に何か変えられるなんて考えるのは、おこがましいんだと思う。こういうとき何がダメだったんだって犯人探しみたいなことばかりしがちだけど、そんなことよりこれから何ができるかを考えるべきなんじゃないか。だいたい「俺のせいや…」みたいに考えること自体が相手に気を使わせて負担になる。反省するにしても自分の中にとどめといた方が良い。

だから、卒業発表後はとにかく笑うこと、みずほに嬉しい、楽しい、大好きって気持ちだけ伝えることを心がけた。好きな人に対してできることって、考え出したらキリがないけど、結局自分と一緒にいる間、相手がなるべく楽しくなるように努めることに尽きるんじゃないか。だとしたら最後は俺なりにやれたんじゃないかと思う。どうかな?

それから、人生っていう長いスケールで考えたとき、一旦アイドルになったらアイドルとして行けるとこまで行かなきゃダメなのか?バッドエンドなのか?って言ったら必ずしもそうでもないんじゃないかって気もする。

アイドルとして過ごした時間がちゃんと充実していて、ちゃんと楽しくて、その先にも楽しい未来があるなら、それで全然正解なんじゃないか。全部肯定できるんじゃないか。みずほがアイドルを辞めることを選んだこの世界だって、みずほや俺らにとってちゃんとハッピーエンドになりうるんじゃないか。

みずほが今までアイドルをやってきたことは全く無駄じゃない。みずほはアイドル界で唯一無二の存在になったし、その輝きをおさめたライブ動画やCD、写真、映画、ラジオ等は永久に残る。みずほは、永遠に語り継がれる伝説のアイドルになる。それに俺たちファンには一生忘れられない思い出を残してくれた。何千人もの人を幸せにしてくれた。みずほは、普通の人が一生かけてもできないことを成し遂げた。まだ10代なのに。

みずほがアイドルを辞めてしまったのはそりゃ残念だけど、これからみずほと俺らがちゃんと幸せになるなら全部オッケーだと思う。もちろんみずほのこの先の人生については俺には分からない。でも、俺らが心配することなんて何もないと思う。アイドルの天才だったみずほは、人に愛される天才だから。人に愛されていれば、どこにいてもきっと幸せになれる。だからきっと大丈夫。

世界中の誰より幸せになって欲しいなー。そしたら俺の今までだって本当に報われる気がするから。離れ離れになっても。



ずーっと現場にいたもんだから、なんとなく仕切る立場みたいのやらせてもらってたけど、基本的に怠惰で内向的なので、あんまり向いてなかったと思う。好き嫌い多いし。色々ご迷惑おかけしました。

そんな俺だけど、「理想の現場」みたいなものについて、俺なりに考えていたんで、この機会に書きます。あんまり偉そうにならなければ良いが…(>_<)

まず新規とか古参とか意識しなくていいこと。

俺がオタクやりはじめたときに嫌だったのは、古参やおまいつの選民意識や排他性みたいなもので、新しい人は古い人達にヘコヘコしなくちゃいけない雰囲気があったり、居心地の悪さを感じるのがめちゃくちゃ嫌だった。偉いオタクなんていないのに。

ベルハーの現場は、そういうのなるべくないようにしたいなと思ってて、それは割と実現できていたんじゃないかなと思っている。ベルハーの現場って誰が新規とか古参とかよく分かんなかったはず。俺は声がデカくて偉そうだったかもしれないが…(>_<)

それからみんなが自由に楽しめるってこと。

ベルハーの現場に初めて行ったとき、みんなバラバラだなって思った。突然MIXやり出す人もいれば最前で地蔵してる人もいるし、楽しみ方が決まっていない。この自由さが良いなと思った。それぞれが自分の楽しみ方を自由に追求できたら最高じゃん。

でも、ベルハーのパフォーマンスが激しくなるにつれて、フロアも荒っぽくなっていくと、ワチャワチャしたい人と静かに見たい人で溝ができて、静かに見たい人が不自由を感じるようになってしまった面があると思う。

ただ、それを重視して、リフトやモッシュ等のいわゆる迷惑行為をシンプルに規制してしまえば、その分だけ失われる楽しさが間違いなくある。中期〜後期ベルハーのライブの素晴らしさとして、その熱量やフロアの一体感があったと思うけど、それは自由度の高さが生み出すものだった。

自分がワチャワチャ側だったから、そっち寄りになっちゃうのも間違いなくあるだろうけど、リフトってすごく良い文化だなと思っていた。みんなが推しに対して必死にアピールしてる姿めちゃくちゃグッときた。メンバーは別に喜んでなかったのかもしんないけども、その片想い感も含めて良かった。肩を叩けば誰でも上げてくれる雰囲気も素敵だったと思う。それに、リフトとかしない友達や女の子もライブに感動して泣くくらい楽しめていたので、する人しない人でちゃんと共存できるはずという考えがあった。

ラッパーのECDの本(『ECDiary』)にあった言葉。

「メーワクをかけなければ何をやってもいい」そんな風に言う人もいる。それが自由だと言う。それも大きな勘違いだ。そんなものは自由ではない。「メーワク」をかけあうことで人はお互いをわかりあえるのだ。「メーワク」を通じてしか、本当の信頼関係は生まれない。(p172)

現場には価値観の違う人たちが集まるから、当然ソリが合わない部分も出てくるけど、みんなが空気読みつつ、やりたいこと自由にやって、多少失敗したり、人に迷惑かけても、お互いに許しあえる現場がベストだと思う。

そういう現場にするには、日頃からみんなが気軽に話せる雰囲気を作っておくことが必要なんだと思うけど、その努力がちょっと足りなかったかも。面識のない人がいたらなるべく声をかけるとか、お節介なことをしてたけど、もともと非社交的な人間だからキョドりながら「誰推しですか?」とか不自然な話しかけ方しかできないし、一旦名前聞いたらその後は何も話さなかったり、中途半端だった感じ。

そんなわけで完璧に理想通りの現場とは言えなかったかもしんない。夏の魔物とか、迷惑ってレベルじゃ済まされないことも何度かしちゃったし。でも、やっぱベルハーの現場すごく好きだったし、めちゃくちゃ良い現場だったと俺は思う。あんなに激しいのに喧嘩とか滅多に起こらなかった。みんな優しくて。

リフトやモッシュがあるとかないとかはどうでも良いけど、新規や古参関係ない感じとか、お互い許しあえる優しい雰囲気とかは、新体制のベルハー現場にもずっと引き継がれていってほしいと勝手に思ってます。久しぶりに行ってみたら、めちゃくちゃ殺伐としてて、ライブ中に殴り合いが始まったりしたら泣いてしまう。まぁ残る人達の顔を思い浮かべれば、そんなことあり得ないって分かるけど。

今までみたいに現場には通わなくなるけど、俺、新体制のベルハーも甘楽がリーダーになる新グループもあーやんのソロ活動もずっと応援してます。CD出たら買うし、大きなワンマンとかには顔出させてもらうつもり。ウザがられない程度に。



最後にありきたりな言葉ですいませんが、今まで本当にありがとうございました。各メンバー、運営、オタク、現場にいた人みんなにめちゃくちゃ助けられました。ベルハーのファンになって本当に良かったです。

ベルハーやみずほと出会う前の俺より今の俺の方が絶対良いでしょ。みんな昔の俺を知らないと思うけど。最高は今。本当にそう思ってます。これからの人生もぶちあげて行くので、どっかで会ったらよろしくお願いします。それではまた。